みなさまへ(拡散希望)

昨日行われた、川内原発の停止と高浜老朽原発の廃炉を求める政府交渉の速報です。参加されたみなさんお疲れさまでした。誤認等あればおしらせください。

阪上 武

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4月25日政府交渉速報

参加者は市民側が、鹿児島、佐賀、福岡、大阪、京都を含む約50名、相手方は、原子力規制庁のPWR担当及び地震・津波担当でした。福島みずほ議員が参加されました。

<川内原発の停止を求めて署名提出>

交渉に先立ち、に九州から、今回の熊本地震に際して、川内原発の即時停止を求める署名を提出しました。佐賀の石丸さんは、避難の困難さが明らかになった、川内原発が稼働を続けていることが不安と恐怖をもたらしているとし、命をおびやかし、ふるさとを奪う原発をこれ以上動かしてはいけないと訴えました。

<川内原発は繰り返しの揺れの影響を評価しているのか>

交渉ではまず、熊本地震について、繰り返し大きな地震が生じていることから、基準地震動よりは小さくても繰り返しの揺れにより、疲労き裂が進む可能性について、きちんと評価しているのかが問題になりました。

規制庁側は、基準地震動に対して、およそ弾性設計範囲内にあることを確認している、大きな揺れを検知すれば自動停止する、と繰り返していました。そうではなくて、比較的小さな揺れでも、繰り返しが多いと疲労き裂が進むことがあり、今回の地震に際して評価を行っているのかと、問い質しました。その場では判然とせず、確認の上、もし評価を行っていないようであれば直ちに停止させるよう指導するよう求めました。

<高浜老朽原発の中性子によるひび割れの点検もせず>

高浜原発1・2号機の運転延長認可については、まず、IASCC(中性子によるひび割れ)について議論しました。市民側は、対象となっているバッフルフォーマボルトの点検について、関電が通常行っている目視確認では、IASCCによる損傷が確認できないことが明らかになったことから、少なくとも超音波探傷検査を全本数で実施して損傷がないことを確認しない限りは、運転期間延長認可を認めるべきではないのではないかと問い質しました。

超音波探傷試験は、20年以上まえに一度やったきりです。しかも高浜2号機については、炉心の半周分しか実施していません。規制庁側は、点検方法は、機械学会の検査規格に従うものだとの説明を繰り返しました。しかし、機械学会の規格にしたがうと、超音波探傷検査は、半周だけやればよく、次の検査はあと10年程の間にやればよいことになります。これでは、運転期間延長認可制度が要求する、劣化の現状把握ができないことになります。市民側は、検査の実施を認可の前提にすべきだとし、至急検討するよう求めました。

<高浜老朽原発の蒸気発生器の加振試験先送り>

続いて、蒸気発生器の減衰定数について、関電が、従来採用していた数字をより緩い側に変更するに際して、規制庁が、実機での加振試験による確認を先送りにして先に工事計画認可を通してしまい、運転期間延長認可の期限に間に合わせようとしている問題について議論しました。

ます、市民側は、減衰定数の変更は、従来の規格に従った手法では、基準地震動による影響が許容値を超えてしまい、耐震安全性が示せないからであり、本来ならばその時点で、許可できないとすべきであると指摘しました。

そのうえで、規制庁側が要求した実機による加振試験を先送りにして、関電に便宜を図るようなことは許されず、工事計画認可の審査ガイドなどにも抵触するのではないかと指摘しました。規制庁側は、加振試験の結果を工事計画認可後の使用前検査で確認するので法的には問題がないとし、一般的な後段規制の考え方を繰り替すばかりでした。

市民側が、規制庁が前例たあるとしているのは、いつのどの事例かと聞くと、なんと昭和58年の高浜3号機だといいます。通産省時代の古い話してす。市民側からは、福島事故が起きて、その反省から規制庁が生まれたはずで、減衰定数を都合よく変えて、試験による確認は後回しでよいなどというやり方を続けていいのか、との声があがりました。

以上