抗 議 声 明
伊方原発3号炉の原子炉起動に抗議する

 本日8月12日、四国電力は多くの人々の反対の声を押し切って伊方原発3号炉の原子炉起動を強行した。私たちはこれに強く抗議する。
 伊方原発は、中央構造線のすぐ脇にあり、その延長線上には熊本地震を引き起こした活断層がある。また、南方には南海トラフがあり、地震活動期に入った中、いつ大きな地震が起きてもおかしくない状況にある。
 伊方原発3号炉の地震動評価には、すぐ近くを通る断層で、前原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦氏が過小評価があり使うべきではないと指摘している「入倉・三宅式」が使われている。原子力規制委員会は、原子炉起動・再稼働を止めた上で、「入倉・三宅式」に替えて、「武村式」で地震動の再評価をすべきである。
 伊方原発3号炉では、プルトニウムを混ぜたMOX燃料を使うプルサーマル運転が実施されるが、製造元のアレバ社は燃料の品質保証に関するデータを公表していない。公表もできないまま運転を強行するなど危険きわまりない。
 伊方原発は佐田岬半島の付け根にあり、半島に住む約5,000名の住民は、逃げるに逃げられない状況に陥る。風が吹けば、津波が襲えば、船を出すことはできず、港に通じる道が寸断されれば、港にたどり着くことすら困難になる。避難計画など絵に描いた餅にすぎない。
 国は、原子力防災の基本を屋内退避としている。しかし、熊本地震では、その屋内退避の危険性が明らかになった。屋内に避難したとたんに2度目の大きな揺れに襲われ、命を奪われるケースもあった。各地の住民、自治体から屋内退避では住民の安全は守れないとの声が上がっている。
 福島原発事故の教訓も、熊本地震の教訓も省みず、このような状況で、再稼働を認めるわけにはいかない。私たちは、伊方原発3号炉の再稼働を止め、これを廃炉にするよう要求する。

2016年8月12日

グリーン・アクション/京都市左京区田中関田町22-75-103
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会/大阪市北区西天満4-3-3星光ビル3階
国際環境NGO FoE Japan/東京都板橋区小茂根1-21-9
原子力規制を監視する市民の会/東京都新宿区下宮比町3-12-302

連絡先:原子力規制を監視する市民の会/090-8116-7155阪上まで

伊方原発