柏崎刈羽ストップ

みなさまへ

11月14日に行われた柏崎刈羽原発6・7号機の再稼働に反対する院内集会&政府交渉について簡単にご報告いたします。参議院議員会館に約100名の方にご参集いただきました。ありがとうございました。

交渉に際しての質問事項

映像記録(UPLAN)
https://youtu.be/MYxRupb-_T4
https://youtu.be/yEfmjux7dqY

<院内集会>

・新潟から…現状報告と首都圏への訴え
・福島から…東電の無責任ぶりについて報告
・新潟県選出議員からも再稼働止めようと力強い挨拶

冒頭、新潟県選出の菊田議員から挨拶があり、新潟は反自民で4勝2敗であったこと、柏崎刈羽原発の再稼働問題が最大の争点であり、反対の意思が示されたことなどお話しがありました。新潟での勝利の立役者である森裕子議員からも力強い挨拶がありました。他に、民進・真山議員、民進・山崎議員、共産・武田議員から挨拶を受けました。

交渉の設定にご尽力いただいた福島みずほ議員には、政府交渉に参加いただきました。

院内集会は、新潟・津南からかけつけた小木曽茂子さんから、県内の状況について報告がありました。十日町、長岡からも4名の方がかけつけ、挨拶を受けました。

続いて福島の武藤類子さんより、東電のこれまでの無責任ぶりについて報告がありました。阪上から、東電の適格性と審査書の問題点について報告しました。

刈羽村の武本和幸さんから、電力需給からしても原発の電気は必要ないこと、また、この間、地元の専門家グループとして行った断層調査などから、敷地直下の断層が活断層ではないとする東電の評価は誤りであることについて解説がありました。

<政府交渉>

1.東電の適格性について(相手方:規制庁・東電)

・福島第一原発の廃炉作業の実態について、具体的な検討はしておらず、規制委員の感触だけで判断した

東電が柏崎刈羽原発を運転する適格性について規制委は審査の対象とし、福島第一原発の廃炉をやりきる覚悟と実績等を要求しました。福島第一原発の実態をみれば、やりきる実績などないことは明らかです。

規制庁は、適格性の審査は、原子炉等規制法の規定にある審査項目のうち、原子炉の設置と運転の技術的能力に係るものであるとしたうえで、判断基準はないが、廃炉作業における東電のこれまでの実績に照らしても、技術的能力がないとはいえないと判断したと回答しました。

市民側は、判断の根拠について具体的に問い質しました。規制庁は、これまで廃炉作業について、東電ともやりとりをしていた委員(更田委員のこと)が、サブドレンやトレンチの水抜きなどは東電でなければできないことだった、などこれまでの東電の実績を評価したことを挙げました。

市民側は、最新の監視・評価検討会でも、遮水壁の効果が確認できず、溶融燃料(デブリ)の取出しについては、規制庁側が、調査におけるサンプル採取と変わらず、取出しとは言えないと指摘され、言葉を失う状況であったことを挙げながら、「やりきる実績」を問題にするのであれば、少なくとも地下水対策とデブリ取出しの見通しを立てなけれならないと指摘しました。

審査に際して、監視・評価検討会で議論されているようなことを検討したのかと聞くと、規制庁は驚いたことに、監視・評価検討会の内容を含めて、具体的な検討は行っておらず、委員の感触だけで判断していることを認めました。市民側は、それでは技術的能力の審査にはならないとし、判断を変えるよう求めました。

タンクのトリチウム汚染水の海洋放出問題については、東電に対し、規制委の要求に対する東電の回答書にもあるように、市民に対して説明会を開催するようにと福島から訴えがありました。東電は漁業者に対して説明を行うだけで、市民からの説明会開催の求めには応じていません。東電は検討すると回答しました。

2.柏崎刈羽原発の審査書~緊急時対策所について(以下相手方:規制庁)

・基準に「免震機能等により」とあるのは福島第一原発事故の教訓である
・緊急時対策所は「必要な指示を行う」ことができなければならない
・揺れが激しい状況でこの機能が維持できるかどうかは確認していない

柏崎刈羽原発6・7号機の緊急時対策所は、当初、3号機そばの免震重要棟に設定されていましたが、これが基準地震動に耐えられないことが明らかになり、3号機建屋内の緊急時対策所と併用することにしました。その後、1~4号機は防潮堤の液状化により水没するおそれが明らかになったことから、5号機建屋内に変更されました。

免震重要棟は、中越沖地震の教訓から設置され、福島第一原発にも設置されました。これが福島第一原発事故時の指揮所として使われました。緊急時対策所は免震でなければならないというのは、福島第一原発事故の大きな教訓です。しかし、柏崎刈羽原発6・7号機の緊急時対策所は、上記の経緯により、免震ではない5号機建屋内となりました。

交渉では、基準規則61条をめぐって議論になりました。61条は、緊急時対策所について「基準地震動に対し、免震機能等により、緊急時対策所の機能を喪失しないようにする」ことを要求しています。規制庁は、条文は必ずしも免震重要棟を要求しているわけではない。免震ではなく耐震であっても同等の機能が確認されればよいと回答しました。

では緊急時対策所に必要な機能とは何か。条文には「重大事故等に対処するために必要な指示を行うこと」との記載があります。そのためには、単に広さや線量だけでなく、揺れないことが要求されているのではないか、わざわざ「免震機能等により」と入れたのは、福島第一原発事故の教訓から、事故に対処するための指揮を行うためには、免震でなければならないと痛感したからではないのか。それを東電が一番わかっているはずではないのかと問いました。

規制庁は「免震機能等により」との文言が福島第一原発事故の教訓によるものであることを認めました。さらに、緊急時対策所の機能として「必要な指示を行う」ことが含まれること、審査では、揺れが激しい状況でこの機能が維持できるかどうかは確認していないことを認めました。であれば、6・7号機の設置許可を認めることはできないはずです。

3.柏崎刈羽原発の審査書~高濃度汚染水の放出防止策がない

・対策の必要性を認めながら今後のことと先送り
・高濃度汚染水による放射能拡散の防止策はまだ明らかでない
・今後の基準改定時に知見を取り込むことになるだろう

交渉では、格納容器下部の破損による原子炉冷却水の流出と、それが高濃度汚染水という形で施設外への放射性物質の異常な水準の放出をもたらす事態についての対策が何もないことについても議論しました。

福島第一原発事故において、そのような高濃度汚染水がどの程度放出されたのかをまず聞くと、約13万テラベクレルが放出されたとの東電による評価が示されました。地下から直接海に放出されてしまい、把握されないものを含めると実際にはもっと大量の放射能が拡散した可能性があります。

基準規則第55条は、格納容器の破損に至った場合「工場等外への放射性物質の拡散を抑制するために必要な設備を設けなければならない」としていますが、東電の対策は、格納容器上部が破損し、気体の放射能が放出した場合、それを放水砲で叩き落とすというだけです。

規制庁の最初の回答は、そのような高濃度汚染水が発生しないよう対策をとっていますというものでした。それでは55条は必要なくなります。炉心溶融が起きないようにするのは当然で、それが万が一起きてしまっても格納容器から放射能が出ないようにする、それが万が一出てしまったら、拡散を抑制するというのが深層防護の考え方です。規制庁の回答は、安全神話の世界に逆戻りです。

そのように指摘すると、規制庁は、高濃度汚染水による放射能拡散がどのように起こるのか、どのような設備で抑制するのかまだ明らかでない、基準は常に改定していくもので、今後基準を改定しながらそういった知見も取り込んでいくことになるだろう、と開き直りにもみえる回答をしました。

高濃度汚染水による放射能拡散が福島第一原発で既に起きているのは、先に規制庁が述べた通りです。これへの対処の必要性を認めながらも、今後のこととして先送りしているのです。いますぐ対処できないのであれば、柏崎刈羽原発6・7号機の審査を合格させることはできないはずです。

4.柏崎刈羽原発の審査書~直下の活断層問題

・東電の評価の誤りは審査に直接影響するものであると指摘

地元の専門家による調査から、東電の断層調査や評価には問題があり、敷地内断層が活断層である可能性が指摘されているにもかかわらず、東電がきちんと反論しないままでいます。東電の見解だけで審査すべきではないとの問題提起がありました。

規制庁は、東電の断層調査や評価について問題提起がある点については、直接柏崎刈羽原発6・7号機の審査には影響しないとの回答でしたが、新潟の武本さんから、東電の評価の誤りは、審査に直接影響するものであることについて説明がありました。この問題については、継続して議論することになりました。

交渉では、柏崎刈羽原発1~4号機側の地盤で液状化が生じ、防潮堤が機能せずに水浸しになる問題、それと関連して、中越沖地震のときに、敷地内のあちこちで地盤の液状化が発生し、電源車や熱交換器など、重大事故対処用の可搬型設備の移動ができない可能性があることについても議論がありました。