みなさまへ

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<政府交渉報告>
東海第二原発・原電の「経理的基礎」と東電の支援問題(拡散歓迎)

4月25日に開催された政府交渉についてご報告させていただきます。風雨が強い午前中の開催でしたが、約40名が参加。茨城各地からもご参集いただきました。交渉には、規制庁、経産省、東電の各担当者が出席。国会議員は、逢坂誠二さん、菅直人さん、大河原雅子さん、山崎誠さんが出席されました。設定には、福島みずほ議員にご尽力いただきました。ありがとうございました。

質問事項
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動画(UPLAN)
https://youtu.be/gkWtL51CXAA

◆規制委・規制庁による審査・原電の「経理的基礎」は認められない!

現在、東海第二原発の適合性審査の許認可は、最初の設置変更許可について、昨年末から「経理的基礎」がネックになってまだ許可が下りていない状況が続いています。

規制庁に「経理的基礎」というのは一体何をみるのか、合否の判断基準は何かを聞きました。規制庁は設置変更に伴う工事費等について、自己資金や外部からの借入れなどで調達できる蓋然性があるかを確認するとの回答がありました。しかし、判断基準について明文化されたものはなく、蓋然性があるかどうかの基準もないとのことでした。

規制庁が原電に要求した債務保証の意思の確認について経緯を聞きました。規制庁は、それは原電の誤解で、規制庁は調達の蓋然性について示すよう求めただけだ、原電は原発専門の卸電力会社であり、他の発電部門をもたない特殊な電力会社なので特に要求したとの回答でした。

4月5日の審査会合で、原電が東電と東北電に出した支援要請と東電と東北電からの回答が原電から示されました。3月14日の要請文には、債務保証と並んで電気料金前払の記載があります。電気料金前払いというのは、より直接的な東電や東北電からの資金提供を意味します。

東電に聞くと、電気料金前払の件は3月14日の要請で初めて知った、現在まだ検討中だと回答しました。実際には銀行による判断があるはずです。銀行が原電には貸せない、だから債務保証を求めた、債務保証でも貸せない、だから電気料金前払を要求したということでしょう。

電気料金前払が外部からの借り入れと言えるのかについて聞きましたが、回答はありませんでした。

茨城から、長らく発電をしていない原電はこれまでの借り入れで担保がなく、借入れができない状態にあり、だから債務保証が問題になっている、経理的基礎はないとみるべきだと指摘がありました。

支援要請に対する東電の回答は、支援の意思はあるが最終決定ではなく、法的拘束力もない。最終的な決定は総合的な検討結果を踏まえて判断するというものです。東電に聞くと、総合的な検討が工事計画認可後になり、現状の設置変更許可段階ではないと回答しました。現状では決定できない。支援しない可能性もあるとの内容です。この点からも経理的基礎があるとはいえません。規制庁に質すと、現在確認中であると答えるだけでした。

◆東電救済の公的資金を原電救済に回すなど許されない!

市民側から、東電は経営再建企業であり、国有化され公的資金による支援を受けていること、新々総合特別事業計画によっても、賠償と廃炉を円滑に行うことを義務付けられていること、ADRの決定を蹴ってまで賠償をケチり被災者を苦しめていることから、原電の支援をやめ、賠償に回すよう求め、見解を質しました。

東電は、原発は廉価で安定的でCO2対策としても有効だとした上で、賠償の原資をかせぐためにも今の段階で原電の支援を行う意味はあると正当化しました。

新々総合特別事業計画を承認し監督する立場にある経産省にも同じことを聞きましたが、東電がキャッシュを得る見通しを立てたいというのは理解できると。福島原発事故の被災者や東海第二原発の再稼働を危惧する地元住民や自治体の思いを踏みにじる回答に参加者は憤りを隠すことはできませんでした。

それに、原電支援により原資をかせぐというのは本当でしょうか。現状でゼロワットの電気に年間400億円もはらい続け、再稼働したとしても、1740億円の安全対策費は原電が東電に請求する電気料金に上乗せされるでしょう。安全対策費が1740億円で収まる保証はなく、多くの反対により再稼働できない可能性があります。それよりも、原電との契約を打ち切り、年間400億円を賠償にあてるほうがよほど現実的です。

実際には、経営上の判断などではなく、国策会社原電の救済ありきで経産省主導で動いていると思われます。東電救済のために投入されている公的資金が賠償ではなく、原電救済に流用するなど許されません。改めて、原電支援をやめるよう要求しました。

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)