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みなさまへ(拡散希望)

本日(7月21日10:00~12:00@参議院議員会館)行われた六ヶ所再処理工場の許可をしないで!要望書提出&政府交渉について報告します。

主催:核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団/三陸の海を放射能から守る岩手の会/原子力規制を監視する市民の会/国際環境NGO FoE Japan/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会

オンラインにて青森の山田清彦さん、岩手の永田文夫さん、大阪の小山英之さんはじめ55名の方にご参加いただきました。会場には東京のスタッフ他、マスコミ関係者と紙智子議員、交渉を設定いただいた福島みずほ議員にもご参加いただきました。要望書は806名の賛同をえて提出しました。ご協力ありがとうございました。

交渉の席には、規制庁の施設等監視部門から3名、検査部門1名、審査部門1名が参加し、廃棄物管理問題は施設等監視部門の木下氏、審査関係は審査部門の真田氏が主に対応しました。

要望書806名
質問事項
事前集会資料

○現場では不適合情報が毎日のように出ておりいちいち報告しなかった

放射性廃棄物の不適切管理については、2017年8月に発覚した後、2017年12月に、2019年8月までに是正すると計画を受け取っていましたが、8件のうち2件は是正されていませんでした。なぜそれが見逃されていたのか。

規制庁は、本庁で審査部門と検査部門に分かれるなどして混乱していたからと説明。現場事務所の職員はなぜ報告しなかったと聞くと、不適合情報が毎日のように出ているのいちいち報告する必要はないと判断したようだと。現場では慢性的に問題が生じているようです。

原燃からの報告が審査書案が出た後の6月30日になったことについて、原燃が、原因究明を優先した、審査の目途がついたら説明しようと思っていたなどと釈明していることについては、まだ説明は受けていないとの回答でした。原燃が審査への影響をおそれているのは明らかです。審査の結論を出す前に事情を聴くべきです。

○燃料被覆管の保管・水にも浸けずに10年間も仮保管

不適切保管の中に、燃料被覆管がありました。ハルともよばれますが、自然発火の可能性もある危険なものです。本来なら専用容器に入れて水に浸けて保管しなければならないところ、容器の3割くらいしか埋まらないという理由で仮置きの状況が10年も続いていました。原燃は発火には至らないと言っているようですが、仮置きが10年もというのはありえない話ではないでしょうか。

○ガラス破片はガラス固化溶融炉の構造的欠陥により生じたもの

交渉で主要に問題になったのがガラス固化建屋のガラス破片でした。貯蔵施設に運ばなけらならないものを、いまでも現場に置きっぱなしになっています。交渉では、これがアクティブ試験で明らかになったガラス固化溶融炉の構造的欠陥に起因することが確かめられました。

アクティブ試験のガラス固化ではトラブルが続出しただけでなく、白金族金属が沈殿・堆積し、ガラス固化ができなくなる構造的欠陥を抱えていることが明らかになりました。その時にこびりついた堆積物をはつったものが、今回問題になっている160キロものガラス破片でした。

規制庁は、このようなものが発生することは予想されておらず、保管容器がなく、これが不適切管理につながったと述べました。

○アクティブ試験の失敗経験により原燃の技術的能力を認定!?

六ヶ所再処理工場については規制委において、事業指定変更許可申請の審査が終盤で、来週にも許可が下ろうとしています。

審査の項目に「技術的能力」があります。原燃には「再処理の事業を的確に遂行するのに足りる技術的能力」が要求されています。規制委は、原燃には技術的能力があるとし、その理由のひとつに「アクティブ試験における再処理施設の運転及び保守の経験を有している」との記載があります。

先に述べたように、アクティブ試験のガラス固化は構造的な欠陥が明らかになり、トラブルが続出したこともあり、予定の6割程度で止まってしまいました。明らかに失敗です。失敗の経験を有していることが、なぜ技術的能力を有している根拠になるのでしょうか。

さらに規制庁は、アクティブ試験は今回の審査の対象外であり、今後の後段規制(工事計画認可や使用前検査)で検討するといいます。検討もせずになぜそのような結論が下せるのでしょうか。

市民側は、ガラス固化の構造的欠陥は、基本設計に関わる問題であり、いま行われている審査で検討すべきものであり、それがない以上、許可はできないと繰り返し訴えました。規制庁側は、アクティブ試験の評価は後段規制で行うことになっていると繰り返すだけでした。

○未回収プルトニウムの情報は出せない

交渉では、未回収プルトニウムについても聞きました。規制庁はプルトニウムの管理については機微情報であり公表できないと。市民側から、ずさんな管理により私たちが危険にさらされる。そのような工場は動かさないで欲しいとの訴えがありました。

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)