〇トラブルの制御棒は引抜きも挿入もできず。全く制御できない状態だった。
〇なぜローラーが引っかかったか?当該の1本だけか?原因は未解明のまま。
〇5月の全数の動作試験では見つからなかった。動作試験では確認はできない。
〇原因究明より再稼働を優先するな!再稼働に向けた確認作業の再開をするな!
再稼働予定の6号機の制御棒駆動機構にトラブル
東京電力柏崎刈羽原発で再稼働が予定されている6号機において、制御棒駆動機構のトラブルにより、制御棒1本が引き抜けない事態が発生しています。東電は、原因もわからないのに、当該の1本について予備品と交換するだけで再稼働に向けた健全性確認を再開するとしています。制御棒駆動機構は緊急時に制御棒を確実に挿入し、核分裂をとめなければならない安全上非常に重要な機器です。制御棒が制御できないという深刻な事態に際し、原因究明よりも再稼働を優先する姿勢は許されません。
制御棒が全く制御できない状況に
東電は6号機において再稼働に向けた健全性確認の準備作業を行う中で、原子炉内の核分裂を制御する制御棒の駆動機構に不具合が生じ、制御棒1本が全挿入の位置から引き抜くことができなくなったと8月25日に発表しました。これにより健全性確認は中断されました。
東電によると、トラブル発生後、電動駆動による挿入・引抜きができず、電動駆動部を取り外し、ジャッキを使ってボールねじを直接上下させたところ、ようやく9月20日にひっかかりが解消したといいます。制御棒は引抜きも挿入もできず、全く制御できない状態でした。
https://www.tepco.co.jp/niigata_hq/data/publication/pdf/2025/2025092501p.pdf
原因未解明なのに交換だけで再稼働を優先する東電
その後、東電は10月9日の記者会見において、制御棒が引き抜けなかったのは「ローラーがガイドチューブに引っかかったことによるもの」と推定したとし、今後は、「当該制御棒駆動機構を予備品との入れ替え…引っかかりがないことを確認」、「他の204体についても、電動での挿入・引抜き操作を行い、モーターの動作状況を電流測定し、引っかかりの兆候がないか1体ずつ確認」するとし、問題なければ健全性確認を再開するといいます。(図:東電10月9日記者会見資料より)
https://www.tepco.co.jp/niigata_hq/data/publication/pdf/2025/2025100901p.pdf
しかし、回転して制御棒の動きを円滑にするためのローラーがなぜ回転しなかったのか、なぜ、どのようにして外側のガイドチューブに引っかかったのか、なぜ当該の一本が動かなくなったのか、他の制御棒に同じ事態が生じるおそれはないのか、何も明らかになっていません。原因が解明されたとはとてもいえないのです。
全数の動作試験では不具合を見つけられない
また、東電は、今年5月に制御棒205本全数の挿入・引抜き機能試験を既に実施しており、6月3日付SNS東電公式アカウントにて、「全ての制御棒駆動機構が正しく動作することを確認しています」と動画付きで報告していました。この時の試験で当該不具合を発見することはできませんでした。このことは、電動での挿入・引抜き操作だけで「引っかかりの兆候」の確認などできないことを示しています。原因究明よりも再稼働を優先する姿勢は許されず、健全性確認を再開すべきではありません。
https://www.tepco.co.jp/niigata_hq/data/publication/pdf/2025/2025050801p.pdf
再稼働に向けた作業を再開しないよう要請行動
この問題で、新潟県、東電、原子力規制委員会に対して、柏崎刈羽原発6号機の健全性確認試験など、再稼働に向けた作業を再開しないよう求める要請行動を行います。柏崎刈羽原発の再稼働に反対の声をあげましょう!

