みなさまへ(拡散希望)
青森県むつ中間貯蔵施設について、6月議会の後、7月には安全協定についての県民説明会が開かれます。青森県宮下知事は、安全協定は合意を前提としたものではない、県民説明会などにおける意見を聞いて総合的に判断するなどと述べていますが、一方で県議会に操業を前提とした核燃料税についての議案を提出して議論を誘導しています。現状の安全協定案は、搬出先の明記を求めず、重大事故や政策変更があっても自治体の側から搬出を要求できないなど問題があります。また、六ヶ所再処理工場は、稼働延期が不可避であることは周知の事実であるにもかかわらず、延期の発表を8月にすると報道させています。むつ中間貯蔵を先に進める意図がみえみえです。
青森県議会で開かれた原子力特別委員会において、鹿内議員と国や東電とのやり取りが事の本質を鋭く突いていると思いましたのでご紹介したいと思います。搬出先がないこと、核燃料サイクルは事実上破綻していることが明確になったと思います。搬出先が明記できず、再処理や燃料加工及びプルサーマルの見通しが立たない状況で、むつ中間貯蔵を進めるのは、だまし討ちのようなやり方で核のゴミをむつに押し付けることになると思います。
こちらでみることができます。
https://aomori-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=3072
★搬出先はどこか?
〇搬出先はどこか?「搬出時に稼働している再処理工場」(エネ庁)
〇「第二再処理工場」の記載を削ったのは「状況が変化したから」(エネ庁)
〇「六ヶ所再処理工場の可能性があると言ったが特定するものではない」(東電)
〇ではどこか?「搬出時に稼働している再処理工場」(エネ庁)
〇稼働している再処理工場がないときは?「再処理工場がないことは想定していない」(エネ庁)
<鹿内>東京電力に伺いますが、今回の計画は50年以内に六ヶ所再処理工場に搬出することを前提とした計画ですか
<東電>中間貯蔵施設に搬入した使用済み燃料は貯蔵期間の終了までに搬出時に稼働している再処理工場に搬出し処理してまいります。先ほどの答弁で六ヶ所再処理工場の可能性もあると申し上げましたが、六ヶ所再処理工場と特定するものではなく、その時点で稼働している再処理工場と理解しております。
<鹿内>第二再処理工場は20年前にこの会場で国も東電も約束したんですよ。第二再処理工場に搬出すると。原子力長計、エネ基本計画にきちっと書いてました。ところが直近の第6次のエネ基本計画には第二再処理工場の記述はありません。書かなくなった理由は何か。
<エネ庁>六ヶ所再処理施設に続く再処理施設の在り方につきましては、六ヶ所再処理工場の稼働状況、その他の状況を踏まえて検討していくというようなことになります。原子力発電所の稼働状況や使用済み燃料の発生量は変化をしておりますので、そうした状況を踏まえて、現在のエネルギー基本計画の記載にしております。核燃料サイクル政策を国の基本方針として行っていき、それに基づいて中間貯蔵施設の推進ということも事業者とともに行っておりますので、その時点で再処理施設がないことを想定しているということは一切ございません。
★核燃料サイクルは事実上破綻しているのに
〇「プルサーマル計画を具体的に示すことはできす、プルトニウムの利用計画を見通せる状況にはない」(東電)
〇(来年度以降のプルトニウム利用計画を)「評価することは困難」(原子力委員会の見解)
〇「六ヶ所再処理が未竣工の状態でプルトニウム利用は推進の途上」(エネ庁)
〇全量再処理政策が見直されたらどうするのか?「一切考えていない」(エネ庁)
<鹿内>東京電力にお伺いしますが、プルサーマル計画が進まないのは立地地域の信頼をえていないからです。いつになったら信頼を回復されてプルサーマル計画が進められるのでしょうか。
<東電>今後の計画をいま具体的にお示しできる状況にはありません。現段階ではプルトニウム利用計画を見通せる状況にはありませんが、会社としてしっかりとプルサーマル計画を推進していくという方針に変わりはありません。電事連をはじめ関係各社と連携して当社としてプルトニウムの利用をしっかりと推進してまいりたいと考えております。
<鹿内>電事連の今年2月のプルトニウム利用計画、これに対して原子力委員会の見解は、令和9年度以降のプルサーマル炉の消費状況を前提に、令和7・8年度のプルトニウム利用計画の内容を検証し妥当性を評価することは不確定要素が多く困難とある。来年も無理だと言っている。50年大丈夫だなどという根拠はどこにありますか。
<エネ庁>ご指摘の原子力委員会の見解の中において、この利用計画につきましては、六ヶ所の再処理工場がまだ未竣工の状態でございまして、またプルトニウム利用計画というところもいま推進しているという途上のところでありまして、そういったところしっかりと、今後確実ならしめることを通じまして、そこをしっかりと取り組んでいくべしといったご趣旨のご指摘があったということは承知してございます。
<鹿内>しっかりということを聞いているのではないのですよ。具体的な話を聞いている。ないということですね。
<鹿内>エネルギー基本計画から第二再処理工場がなくなって、一方で出てきたのが直接処分なのですね。全量再処理路線が変更になって直接処分に変わった場合に、むつ中間貯蔵施設の使用済み燃料はどうなるのですか。
<エネ庁>直接処分に関する調査研究につきましては、幅広い選択肢を確保する観点から技術的な調査研究を推進しておりますけれど、現時点で核燃料サイクルの方針を見直すということは一切考えてございません。
<鹿内>一切考えてないことが、第二再処理工場が20年前にやるやるとここで言ってなくなったのですからね。信じられないですね。
※FoEのオンライントーク「むつ中間貯蔵」のテーマで話しました。
アーカイブ映像 https://youtu.be/ucr4Ysf3QEs
資料は以下
https://foejapan.org/wpcms/wp-content/uploads/2024/06/240624_sakagami.pdf
※「核の中間貯蔵施設はいらない!下北の会」が署名「青森県むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設の操業反対」を呼びかけています。ぜひご協力ください。
https://chng.it/N9KCzq8Y4n
紙版 https://x.gd/ZhKdd
阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)