本日5月24日に大飯原発3・4号炉の設置変更許可に抗議して共同声明を発出しました。
2017年5月24日
抗議声明
大飯原発3・4号機の審査書確定・設置変更許可に強く抗議する
原子力規制委員会は、本日(5月24日)、大飯原発3・4号機の「審査書」を確定し、設置変更を許可した。私たちは、これに強く抗議する。
大飯原発3・4号では、とりわけ昨年来基準地震動の過小評価が大きな問題となってきた。前原子力規制委員会委員長代理で地震動評価の責任者であった島﨑邦彦氏が、「入倉・三宅式による基準地震動は過小評価であり、許可すべきではない」と4月24日に名古屋高裁金沢支部で行われた裁判で証言している。規制委員会はこの提言を全く無視して、過小評価の基準地震動のままで許可した。
大飯原発が再稼働し、近くにある活断層で地震が起これば、福島原発事故が再現されることになる。そうなれば、大量の放射能が大気中に放出され、周辺住民を襲うばかりか、数時間で大阪・神戸にも到達する。琵琶湖にも降り注ぎ関西一円の飲料水が汚染されることになる。風下の中部地域にも被害が及ぶ。
しかし、避難計画にいたっては、30キロ圏内で安定ヨウ素剤の事前配布もなく、自然災害との複合災害は想定せず、要援護者の避難にいたっては具体的な避難方法さえ決まっていない。広範な住民が「自己責任」で逃げまどわなければならなくなる。そうなってもだれも責任をとらないことは、福島原発事故が如実に示している。
事故時に被害を被る福井や京都府北部等の住民・自治体の声はまったく無視されている。関電が高浜原発で引き起こしたクレーン倒壊事故については、高浜のみならず、大飯、美浜サイトでも「総点検」を実施するよう地元から求められたが、関電の対策は「暴風警報について気象協会からFAXを受け取る」等あきれる内容だ。そのため、京都府と京都府北部自治体はクレーン問題はいまだ解決していないと表明している。規制委員会は、クレーン倒壊事故を審査することもなく、30キロ圏内自治体に説明することもなく、原発の再稼働を後押ししている。無責任にも程がある。
関西電力は秋から冬にも大飯原発3・4号の再稼働を狙っている。これに対して、福井、関西、全国の運動は連携し、各地で闘われている裁判闘争とも連携を深め、再稼働を止めていこう。
2017年5月24日 [14団体]
原発設置反対小浜市民の会/ ふるさとを守る高浜・おおいの会/ 原発なしで暮らしたい宮津の会/ グリーン・アクション/ 防災を考える京田辺市民の会/ 避難計画を案ずる関西連絡会/ 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会/ 脱原発へ!関電株主行動の会/ 脱原発わかやま/ おおい原発止めよう裁判の会/ 核のごみキャンペーン・中部/ 玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会/ 国際環境NGO FoE Japan/ 原子力規制を監視する市民の会
連絡先:グリーン・アクション 京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL:075-701-7223 FAX:075-702-1952
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 大阪市北区西天満4-3-3星光ビル3階 TEL:06-6367-6580 FAX:06-6367-6581
原子力規制を監視する市民の会 東京都新宿区下宮比町3-12-302 TEL:03-5225-7213 FAX: 03-5225-7214