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みなさまへ

◆説明・公聴会の開催前に汚染水の海洋放出に反対して横断幕を広げてアピールをします!東京会場では、14:15~14:45 時間変更 14:45~15:15 でイイノビル前にて行います。

◆福島第一・汚染水に基準値超え放射能問題につき、FFTVで配信しました。
ぜひごらんください。 https://youtu.be/ETrya4kpATM

◆本日、資源エネ庁、規制庁、東電からこの問題に絞ったヒアリングを行いました。そこで判明した事実を追加してまとめました。

◎基準超えは2つの時期

・放射性ヨウ素129が告示濃度限度の9Bq/Lを超えていたのは、2015年4~9月の時期と2017年4月~現在に至る時期に集中しています。2015年4~9月では、既設ALPSで最大121Bq/Lを観測しており、増設ALPSでも基準値超えが続出しています。2017年4月~では、既設ALPSで最大27.83Bq/L、増設ALPSで最大62.24Bq/Lを観測しています。

〇Kontan_Bigcaさん
https://twitter.com/Kontan_Bigcat/status/1031818474862010369/photo/1?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1031818474862010369&ref_url=https%3A%2F%2Ff1nps.blogspot.com%2F2018%2F08%2F2018820.html

◎原因は2回とも吸着材の交換頻度を意図的に下げたため

・原因を聞くと東電は、吸着材の交換頻度を意図的に下げる運転を実施したことが原因だと説明しました。放射性ヨウ素129を告示濃度限度以下に低減するためには、吸着材を高い頻度で交換しなければなりませんが、交換の頻度を上げると稼働率が低下します。

・まず、2015年4~9月については、当時は、2016年3月末時点で、敷地境界における実効線量を1mSv/年未満を達成することが必須であった、そのため、当面の間は稼働率を低下させないことを優先させ、吸着材の交換頻度を下げて運転を実施したと。

・さらに、2017年4月以降については、フランジ型タンクに問題があり、溶接型タンクに移す必要があったが、フランジ型タンク内にはストロンチウムを低減させただけで、まだALPSを通していないストロンチウム処理水が入っており、溶接型タンクに移す際にALPSを通す必要があり、これを短期間に実施するために、稼働率を上げる必要があり、やはり吸着材の交換頻度を下げる運転を実施したと。

◎東電は規制委にも資源エネ庁にも説明していた

・2015年にこのような運転を実施することについて、東電は、資源エネ庁が設置した廃炉・汚染水対策チーム会合/事務局会議の第13回会合(2014年12月25日)で事前に説明しています。規制委が設置した特定原子力施設監視・評価検討会の第2回、第3回会合でも説明しており、また東電は、結果について、2015年と2017年以降ともに、個別の面談やヒアリングの場で説明したと述べました。

◎小委員会には「検出限界以下」のデータを示した

・今回の説明・公聴会は、「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」の事務局が主催ですが、資源エネ庁は、同小委員会の第一回会合において、処理水の中にトリチウム以外の核種も含まれるとの説明がなされたと述べました。第一回会合は2016年11月11日ですから、2015年4~9月の時期に処理水の放射性ヨウ素129が一部で告示濃度限度を超えていることは承知していたはずです。

・ところが、この場で東電が示した資料は、2014.9.20~28に採取したデータで、放射性ヨウ素129は検出限界以下(ND)となっています。他の核種もNDが並び、NDでないのはルテニウム106だけ、それも告示濃度限度以下ですから、総じて、トリチウム以外の放射性物質は除去できることを示すものとなっており、東電は「トリチウム以外のものは何とかできている」と説明しています。タイトルも「タンクに貯蔵している水(多核種除去設備等処理水)は、トリチウムを除く放射性物質の大部分を取り除いた状態」とあります。これがそのまま、今回の説明・公聴会の資料に添付されています。

東電提出資料
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf/001_02_02.pdf
議事録(13ページあたり)
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf/002_01_00.pdf

◎資料はトリチウム以外は除去されていることが前提

説明・公聴会資料(処理水の性状は22ページ)
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf/HPup3rd/5siryo.pdf
・資料は総じて、トリチウム以外の放射能は除去されていることを前提に、トリチウムについても、自然由来や、原発や再処理工場、核実験で放出された量と比べてもタンクに貯蔵されている量は大きくはないことや、トリチウムが他の放射性物質に比べても危険度が小さいことを強調し、「希釈して海洋放出」を容認するに誘導するものになっています。

◎資料は「だまし討ち」という他ない

・小委員会の事務局が、トリチウム以外にも告示濃度限度を超える放射能が含まれていることを十分承知していたことは、この小委員会の名称にも表れています。小委員会は「トリチウム水タスクフォース」を衣替えしたものですが、その際に、タンク中の水の名称を「トリチウム水」から「多核種除去設備等処理水」に変えています。残留している放射能はトリチウムだけではないということでしょう。

・にもかかわらず、小委員会の説明で、東電は検出限界以下のデータを示した。資源エネ庁と東電が基準超えの事実を隠したことになります。

・今回の説明・公聴会の資料には、2017年以降の放射性ヨウ素の告示濃度限度超えについても一切記載がありません。委員に対しても住民・市民に対しても「だまし討ち」をしたという他ありません。

8月28日
阪上 武(原子力規制を監視する市民の会/福島老朽原発を考える会)