フランスから高浜原発にMOX燃料が輸送されてきました。これに対して、関西・福井・首都圏の4団体で抗議声明を出しました。
避難計画を案ずる関西連絡会/ ふるさとを守る高浜・おおいの会/原子力規制を監視する市民の会/ 国際環境NGO FoE Japan
抗議声明は、末尾にもつけています。PDF版はこちらです。ご一読いただければ、ありがたいです。拡散歓迎です。
http://www.jca.apc.org/mihama/bousai/statement20211117.pdf
高浜原発では、行き場のない使用済MOX燃料が既に生み出されています。赤ちゃんが100歳になっても、プールで冷却し続けなければなりません。このような核のゴミを生み出すプルサーマルは即刻中止すべきで(フランスからの輸送は、福島原発事故前の2010年にもあり、今回で4度目となります)
◆【抗議声明 プルサーマルは即刻中止せよ】
高浜原発では、行き場のない使用済MOX燃料が既に生み出されている
赤ちゃんが100歳になっても、プールで冷却し続けなければならない
本日(11月17日)、フランスから高浜原発にMOX燃料が輸送されてきた。前回
の2017年9月以来、フランスからの輸送は4度目となる。引き続きプルサーマルを
推進しようとする関西電力に強く抗議する。
政府や関電は「余剰プルトニウム削減のため」とプルサーマル推進を掲げている。しかし、関電プルサーマルは、1999年の英国BNFL社製不正MOX事件以降、製造元をフランスに変更したが、予定通りには進んでいない。福島原発事故、大津地裁の運転停止仮処分決定、蒸気発生器細管の異物混入疑惑による損傷等によって長期の運転停止を余儀なくされてきたからだ。
高浜3号では、2011年1月の第20回定検で初めて8体のMOX燃料を装荷した。計画では、定検ごとに燃料を追加し、3サイクル目には40体になるはずだったが28体にとどまっている。最初に装荷した8体の取り出し開始まで、通常なら3年9ヶ月のところ、2020年1月まで丸9年かかっている。高浜4号も同様で、最大20体の装荷(2018年)にとどまっている。
他方、高浜原発では、行き場のない使用済MOX燃料が既に生み出されている。
3号では8体、4号では4体が、原発のプールで冷却されている(※1)
(※1)3号:第24回定検(2020.1.6~2021.4.5) 8体を原子炉から取り出し
4号:第23回定検(2020.10.7~2021.5.13) 4体を原子炉から取り出し
通常の使用済ウラン燃料は、15年間原発プールで冷却した後に乾式キャスクに入れて貯蔵所に運びこむことができる。しかし使用済MOX燃料は発熱量が高いため、100年後でもまだ使用済ウラン燃料の15年レベルまで下がらない。高浜原発が廃炉になってもなお、使用済MOX燃料はプールで冷却しなければならない。
2019年6月21日の政府交渉で資源エネ庁の担当者は、使用済MOX燃料は冷却に300年かかると明言した。同年8月の高浜町申入れでこのことを伝えると、驚きながら「今後国の検討が出てから町として検討する」と述べるだけだった。
このような状況に対して福井県の杉本知事は、2020年1月27日に経産大臣に要望書を提出し、「使用済MOX燃料の処理・処分について、技術的な検討・研究開発を加速し、その具体的な方向を明らかにすること」を求めた。しかし、使用済MOX燃料は六ヶ所再処理工場では処理できないため運ぶことはできず、第二再処理工場も「もんじゅ」が廃炉となり政府の計画から消えている。処理・処分の目途などない。ふるさとを核のゴミ捨て場にしてはならない。
使用済MOX燃料は、今年生まれた赤ちゃんが100歳になっても、プールで冷却し続けなければならない。子々孫々に危険な核のゴミをこれ以上残してはならない。
プルサーマルは即刻中止せよ。余剰プルトニウムを生み出す超危険な六ヶ所再処理工場も中止し、破綻している核燃料サイクルを止めていこう。
2021年11月17日
避難計画を案ずる関西連絡会/ ふるさとを守る高浜・おおいの会/
原子力規制を監視する市民の会/ 国際環境NGO FoE Japan
この件の連絡先:
原子力規制を監視する市民の会 東京都新宿区下宮比町3-12-302 TEL:03-5225-7213
グリーン・アクション 京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL:075-701-7223
美浜の会 大阪市北区西天満4-3-3星光ビル3階 TEL:06-6367-6580