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みなさまへ

2月27日に行われた大飯原発の火山灰評価と使用済核燃料の中間貯蔵に関する政府交渉について簡単にご報告させていただきます。交渉には関西、首都圏の他、北海道、青森からもご参集いただきました。ありがとうございました。

<院内集会>

大飯原発の火山灰評価について、関電の京都の地層などの調査報告が2月13日に提出されたこと、結論は専門家による過小評価の指摘を否定する内容だが、専門家を含めた検証が行われていないこと、などについて解説がありました。京都で関電の調査地点が、論文の指摘とずれているとの問題が指摘されました。

使用済中間貯蔵の問題について、青森県むつ市から駆けつけた栗橋さんから、むつの中間貯蔵施設をめぐる状況について、関電がむつの施設の使用について記事になったがすぐにむつ市長が否定したこと、事業者のRFSは、最大50年供用期間終了後は、第二再処理工場に搬出すると説明してきた、六ヶ所再処理工場が稼働できない状況で、認可の手続きをわざと遅らせる動きもあったが、ここへきて、六ヶ所再処理とは切り離して、この秋にも搬入という方針が表明された、これには容認派も終末施設になるとの危機感をもっていることなど。

美浜の会の小山さんからは、関電が、福井県知事に使用済燃料の中間貯蔵施設を福井県外で立地するよう強く要請され、和歌山県白浜町で立地の動きを見せており、それに対し和歌山県内では反対運動が素早く動いていること、関西全体で反対していくことについて、報告がありました。

<大飯原発の火山灰政府交渉>

関電の調査報告について、京都を含むいくつかの地層で、関電が、流水による再堆積によるもので、火山灰の層厚を評価することはできないとしている、規制庁としてはまだ検討中である、関電に対し、大山生竹噴火(DNP)による火山灰の層厚について最終報告をまとめるよう指示した、もうじき出る予定だが、関電の評価で問題はないと思っている趣旨の発言がありました。外部専門家を交えた検討はしておらず、その予定もないとのことでした。

規制庁の安池氏は、専門家の山元氏には関電の結果は伝えたが、仮に再堆積であってもそれだけの地層が出れば、それなりの堆積があったとみるべきであると。また、関電が調べた京都の地層については、山元氏が論文で引用した井本氏の論文に記載の位置とは同じでないことを認めました。

規制庁側は、山元氏の指摘は、特定の噴火については指摘ではなく、大山の噴火履歴を全体的に見直し、大規模な噴火が近々起こり得るのかどうかを検討する安全研究の一環であることを強調しました。

市民側は、大飯原発が層厚10センチの想定しかしておらず、過小評価の可能性が高い状況で再稼働しようとしていることが問題で、早急に対処するか、再稼働手続きを止めるかすべきだと主張しました。

検証は専門家を交えて、密室ではなく公開で行うこと、京都の地層については、調査ポイントが違っている以上、再度やりなおすことを求めました。

<使用済核燃料の中間貯蔵について>

中間貯蔵後の搬出先については以下の回答がありました。
・50年先のことなので、再処理工場の具体的名称はあげられない。
・六ヶ所再処理工場は寿命が40年と一般的に言われているが、具体的に責任をもって何年とは言えない。
・六ヶ所再処理工場に持って行けないこともある。
・第二再処理工場は建てるかどうかは決まっていない。
・第二再処理工場が軽水炉サイクル用なのか高速炉サイクル用なのか決まっていない。
・核燃料サイクルは短期では解決できないもので「戦略的柔軟性」をもって進めると言いながら、むつの中間貯蔵施設への搬入ストップには明確に答えず。

関電がむつの使用を狙っているとのの動きについては、協定に記された東電と原電以外の計画はないとの回答でした。

むつの中間貯蔵と六ヶ所再処理工場との関係について、資源エネルギー庁は、RFSが、中間貯蔵施設は再処理が前提だと述べていると。では、六ヶ所再処理工場の稼働もできない状況で、中間貯蔵の操業はできないのではないかと言うと、それは事業者の判断だと述べました。資源エネルギ庁の見解を聞くと、基本姿勢としては、再処理が前提だと認めました。この秋にも操業開始との方針は撤回させるべきです。

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)