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◆規制委石渡委員…関電の評価を突っぱねて自ら現地調査を行うと宣言

大飯原発など若狭の原発で問題になる鳥取県大山(だいせん)の噴火による火山灰評価の問題で、規制委・規制庁と関電の意見交換会が本日午前中に開催されました。

京都市越畑地区の約30センチの火山灰層について、関電は、再調査によっても流水による再堆積によるものであり、「この地層で厚みの評価はできない」との意見を変えませんでした。根拠は、土砂を含む地層が間に入り込んでいるという、これも前回と同じものでした。石渡委員は、この地域は火山灰層がよく残っている地域であり、この地層は火山灰層を評価するうえで重要なものであるとし、怒り気味に関電の主張を突っぱね、規制委として現地調査を行うと宣言して終えました。

◆関電はこれまでの審査の層厚10センチを変えない評価を出してきた

関電は今回、噴火規模の評価を追加しました。琵琶湖で5センチ、水月湖で0センチとし、それらを再現するように風向きや噴火規模を調整しながらシミュレーションを行い、噴火規模4~5立方キロとの結論になりました。

関電は既に通った審査において、大飯原発など若狭湾の原発の火山灰評価について、厚みが10センチであることを前提に重みやフィルタなどへの影響を評価して審査に合格していました。その際、DNPの噴火規模を1.1立方キロとしていました。それと比べると今回は最大5立方キロとなったので少し大きくなったことになります。しかし関電は既に通った審査において、DNP以外の噴火も網羅する形で、噴火規模を5立方キロとし、これを前提に層厚10センチとしていました。結局審査での評価を変える必要はないことになります。

◆火山灰の層厚30センチでは関電の原発は耐えられないことが明らかに

関電は、今回のプレゼンで建屋や機器で何センチまで耐えられるかを示す一覧表も出してきました。許認可ベースの評価で見ると、建屋の重み評価について、大飯3・4号機は31センチまで、高浜3・4号機は21センチまで、高浜1・2号機は19センチまで、美浜3号機は20センチまでしか耐えられません。建屋以外では、高浜3・4号機で15センチまで、高浜1・2号機で12センチまで、美浜3号機は12センチまでしか耐えられません。

大山から越畑までは、大山から原発までとほぼ同距離であることから、風向きを原発寄りにしたシミュレーションを行うと、原発周辺でも約30センチ程度の火山灰となります。もし、設計層厚が30センチになれば、いまの設計では耐えられないということになります。関電の原発は火山灰に耐えられません。直ちに止めるべきです。