屋内退避では放射線ヨウ素などによる内部被ばくを十分低減できないことが、今年3月の政府報告書から明らかになることが、8月30日付東京新聞のこちら特報部で報じられました。この「屋内退避問題」について解説した動画をアップしましたのでお知らせします。

政府報告書からわかった
原発事故:屋内退避で被ばくは防げない!

レポートから、陽圧化(1施設2億円の大掛かりな換気装置でPAZ内の施設で工事が行われているところもある)が行われていない建屋では、高気密であっても内部被ばくは3割程度しか低減しない、ことがわかります。高気密でなければ低減効果はさらに小さいことになります。

以下がそのレポートです。

原子力災害発生時の防災措置-放射線防護対策が講じられた施設等への屋内退避-について[暫定版](令和2年3月)内閣府(原子力防災担当)/日本原子力研究開発機構 原子力緊急時支援・研修センター

https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/pdf/02_okunai_zantei_r.pdf

いま女川・柏崎刈羽・東海第二原発など東日本の沸騰水型原発は再稼働に向けて地元同意が問題になっており、西日本でも老朽炉の再稼働などで、原子力防災・避難計画の実効性が大きな焦点になっていると思います。

いま感染症対策への対応が迫られていますが、原発の避難計画の見直しは遅々として進まず、感染症対策とは両立せず、実効性がないことがますます明らかになっていると思います。この「屋内退避問題」はそれと並んで、全国すべての立地地域で問題になることだと思います。