みなさまへ
島根原発2号炉で、中央制御室の空調配管の保温材をはがしてみたら腐食で穴だらけだった問題で、稼働中の原発について、すぐに止めて保温材をはがして点検をするよう求める緊急要請書を、鹿児島、佐賀、島根、関西、首都圏の9団体の連名で、本日(1月17日)午後5時に原子力規制委員会にFAXにて提出しました。
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緊 急 要 請 書
島根原発2号炉の中央制御室の空調配管が腐食で穴だらけ
川内原発・伊方原発を止めて直ちに点検を
玄海原発3・4号炉の設置変更を許可すべきではない
全ての原発で、配管の保温材をはがして早期に点検すべき
原子力規制委員会委員長 田中 俊一様
2017年1月17日
中国電力が昨年12月、新規制基準の審査に備えて、島根原発2号炉の中央制御室の空調配管の寸法を測るため保温材をはがしてみたところ、腐食により穴だらけだったことが明らかになりました。穴は年末までに19箇所見つかり、大きいものは30センチ×1メートルもありました。この点検は、運転開始以来約28年目で初めて実施されたものです。
中央制御室の空調は、事故時には外気を遮断し、フィルターを使って放射能を除去します。中央制御室が放射能で汚染することがないように、気密性を保つ機能が要求されます。その空調配管が穴だらけだったのです。運転中に事故が起これば、事故対策もできず、運転員の安全を守ることもできず、危険な状況に陥ってしまいます。
島根2号炉と志賀原発1号炉を除く40機の原発では、再稼働前の検査などで、保温材をはがした点検を実施していませんでした。これでは腐食穴を見つけることは不可能です。40機の中には、稼働中の川内原発や伊方原発も含まれています。川内原発は運転開始30年を超えています。空調配管がボロボロの状態で稼働しているかもしれません。中国電力は「海に近いため塩分を含んだ空気が配管に流れ込み、腐食が進んだ可能性がある」と述べていますがこれはどの原発でも同じです。
規制委は規制基準に抵触する可能性を指摘しています。また、原発の審査では保温材をはがした検査は求めておらず、審査のあり方そのものの見直しが迫られる問題です。更田規制委員は12月の会合で、「規制が要求すべきものに対して根源的な問いを投げかけたもの」と述べています。
今直ちに必要なことは、稼働中の原発を止めて、全ての原発の保温材をはがして実態を明らかにすることです。ところが、規制委・規制庁は、未だに点検指示を出していません。1月13日付で調査指示は出ていますが、点検の実状を調査するだけで、具体的な点検指示は、島根原発2号炉の原因究明ができてからだといいます。そのような悠長なことをしている場合ではありません。まずは、保温材をはがした点検を実施すべきです。
要 請 事 項
1.川内原発・伊方原発は、直ちに稼働を止め、保温材をはがして点検をさせること
2.1月18日に予定している、玄海原発3・4号の設置変更の許可をしないこと
3.全ての原発で保温材をはがした点検を早急に実施し、その結果を公表すること
川内原発30キロ圏住民ネットワーク(鹿児島)/玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会(佐賀)/さよなら島根原発ネットワーク(島根)/花風香の会(滋賀)/グリーン・アクション(京都)/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(大阪)/国際環境NGO FoE Japan(東京)/グリーンピース・ジャパン(東京)/原子力規制を監視する市民の会(東京)<9団体>
<連絡先>原子力規制を監視する市民の会
162-0822東京都新宿区下宮比町3-12-302 03-5225-7213 090-8116-7155/阪上