核の半永久的なゴミ捨て場
原発再稼働と稼働継続が目的
むつ中間貯蔵施設・審査書案に反対！アピール行動
日 時：９月２日（水）１２：３０～１３：００
場 所：原子力規制委員会前（六本木ファーストビル）
主 催：原子力規制を監視する市民の会
連絡先：０９０－８１１６－７１５５（阪上）
青森県むつ市に建設中の使用済み燃料の中間貯蔵施設（リサイクル燃料備蓄センター）について、原子力規制委員会は、本日の定例会合において、事実上合格とする審査書案をとりまとめようとしています。
むつの施設は、半永久的な核のゴミ捨て場をつくり、原発の再稼働と稼働の継続を目的とし、立地地域の危険性を高めるものでもあります。脱原発に逆行するむつ中間貯蔵施設に反対しましょう！
◆むつが半永久的な核のゴミ捨て場と化す
むつ中間貯蔵施設（リサイクル燃料備蓄センター）は、原発の使用済み燃料を再処理工場で再処理するまでの間、一時的（といっても50年）に備蓄するための施設ということになっています。
むつの施設の審査は、六ヶ所再処理工場の審査と事実上セットで進められてきました。東電は、むつの施設の操業は、六ヶ所再処理工場の稼働に合わせて行うと述べています。
しかし、むつの施設に入った使用済み燃料は、六ヶ所再処理工場ではなく、その次の「第二再処理工場」で処理されることになっています。
◆搬出先は幻の「第二再処理工場」
プルトニウム削減の国際公約からも、六ヶ所再処理工場ですら、動く現実的な見込みがない状況です。ましてや「第二再処理工場」については検討すらされておらず、資源エネ庁の広報誌の核燃料サイクルの図からも消えてしまっています。
むつの施設に送られた使用済み燃料は、50年たっても行き場はなく、むつが半永久的な核のゴミ捨て場となるのは必至です。これに対し、地元のみなさんが強く反対しています。
◆柏崎刈羽原発の燃料貯蔵プールは満杯状態
むつの施設の事業会社は、柏崎刈羽原発を抱える東電と東海第二原発を抱える原電と契約しています。操業して最初に送られてくるのは、東電の柏崎刈羽原発からの使用済み燃料です。
東電が再稼働を予定している柏崎刈羽原発６・７号機は、いずれも原発建屋内の燃料貯蔵プールが９割以上埋まっており、満杯状態です。他の号機に移してこれを解消しようとしていますが、そこも満杯に近い状態です。
◆むつの施設は原発の再稼働を促し運転を継続させるためのもの
東電が柏崎刈羽原発を再稼働させ、運転を継続するためには、満杯のプールから使用済み燃料をむつの施設に移す必要があります。むつの施設は、原発を再稼働させ、運転を継続させるためのものです。
◆むつの施設の操業は燃料プールを危険に陥れるもの
むつの施設は、キャスクと呼ばれる使用済み燃料の輸送容器をそのまま使って貯蔵する乾式貯蔵というやり方で貯蔵します。規制委の更田委員長もそうですが、プールでの貯蔵よりも乾式貯蔵の方が安全だとし、乾式貯蔵に移した方がよいという議論があります。
しかし、核燃料貯蔵プールで重大事故を引き起こすのは、出来立てほやほやの発熱量の高い使用済み燃料です。そうしたものは、発熱量が高いために乾式貯蔵に移すことができず、しばらくの間はプールに入れておくしかありません。
それに、より重要なことに、むつの施設への搬出目的は、安全性を高めることではありません。目的は先に述べたように、燃料プールに隙間を確保して、原発を再稼働し、運転を継続することにあります。
いま柏崎刈羽原発のプールには、発熱量の低い使用済み燃料しかありません。原子炉にも燃料はなく、重大事故を引き起こす要因はありません。燃料の搬出により再稼働されてしまえば、空いた隙間に出来立てほやほやの使用済み燃料が入ることになります。これが、重大事故の危険性を飛躍的に増大させます。
◆恐山からの火砕流の通り道…むつの施設の立地にも問題あり
むつの施設の近くには恐山があります。過去わかっているだけでも３回、比較的小さい噴火で火砕流が届いています。火砕流の通り道にあるのです。事業者は噴火の兆候はないとしていますが、専門家は、観測経験のない噴火の予測は困難だとしています。
むつの施設は津波が到達する恐れがあります。しかし事業者は、津波を防ぐための防潮壁の設置を断念し、津波をかぶっても構わないとの方針を示しました。規制委はそれにオッケーを出そうというのです。
◆後から蓋をあけて点検などできるのか？
キャスクの密閉はいつまでもつのでしょうか。異常があったときには点検を行うことになっていますが、ふたを外したとたんに放射能が漏れ出るおそれがあります。
ぜひ、みなさんで反対しましょう。パブリック・コメントなどを使って批判意見を集中しましょう！
生活協同組合パルシステム東京の助成により作成しています。郵便振替00140-5-44967原子力規制を監視する市民の会
