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東海第二原発避難計画 一人2平米では狭すぎる
〇水戸市の県外避難先の松戸市は一人4平米で回答
〇2平米より広い回答した水戸市の県外避難先自治体は6つあった
〇水戸市「感染症対策は避難先の人数調整よりも優先すべき事項」
〇水戸市「感染症対策はコロナ禍の一過性のものではない」
〇水戸市「感染症対策についてヒアリングや視察を行う予定」
〇水戸市「原電の工事スケジュールには全く影響されない」
東海第二原発の広域避難計画では、現状では避難所のスペースがひとり2平米となっていますが、感染症対策が求められる中、あまりに狭すぎることが問題になっています。この問題で、避難受け入れ元の水戸市と受け入れ先の松戸市の2人の市議さんの活躍により、計画策定の見直しが迫られる状況であることが明らかになりました。
千葉県の松戸市は、水戸市の受け入れ先のひとつになっていますが、千葉県東葛地域で活動するエナガの会とも一緒に活動されている立憲の岡本ゆうこ議員が議会で質問したところ、9月1日の議会答弁において、避難者ひとり当たり2平米ではなく4平米の基準で算定し直し、受け入れ人数も従前の約半分の人数とし、その旨を茨城県と水戸市に回答していたことが明らかになりました。
これをうけて、水戸市議会立憲みとの萩谷慎一議員が9月14日に議会で質問したところ、市民協働部長からは、松戸市のようにひとり当たり2平米よりも広い基準で算定した自治体は、調査した県外避難先の31の自治体のうち6つあった、感染症対策は避難先の人数の調整に先立っておこなうべきものである、感染所対策はコロナ禍の一過性のものではない、独自の基準で算定した自治体に対しては視察やヒアリングなどの調査を行っていく、原電の再稼働に向けた工事スケジュールとは全く無関係に進める、との答弁がありました。
感染症を考慮した避難計画については、県外避難先だけではなく、また水戸市の避難先だけではなく、すべての避難先で問題にすべきことです。広域避難計画については全面的な見直しが必要です。
原子力規制を監視する市民の会 阪上 武
9月14日 萩谷慎一議員 質問58:50~ 答弁1:18:38~
以下文字に起こしたものです
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質問 萩谷慎一議員
原子力広域避難計画策定に係る受け入れ先避難施設への調査についてお伺いします。本市では原子力災害時において、本市の避難者を受け入れていただく各自治体の避難所の面積を、茨城県が示したひとり当たり2平方メートルの基準で調整してきました。
しかし、避難先の各自治体から把握した面積が、単に建物の総面積である場合と通路やトイレなど避難に適さない面積を除外した有効面積とが混在している状況のため、今年4月16日に水戸市長名で各自治体宛て再調査を行ったことが、去る6月9日に開催された千葉県松戸市議会の立憲民主党岡本ゆうこ議員の一般質問に対する答弁で明らかになりました。
その際、岡本議員は松戸市に対し、感染症に配慮した調整を行うよう要請し、松戸市側は、避難者ひとり当たりの面積を従来よりも広く確保することが望ましいと答弁しました。
これを受けて岡本議員がこの9月1日の本会議で行った一般質問への答弁では、各避難所の現状を再確認し、感染症防止対策を考慮し、避難者ひとり当たりの専有面積を4平方メートルで算出し直し、受け入れ人数も従来の15,889人から半分以下の7,162人に減らして7月9日付で水戸市に回答したことや、茨城県からも、7月16日付で原子力災害時における避難所面積確認のため、避難所の平面図及び避難所リストの提供依頼があり、8月16日付で避難所の図面を提供したことが明らかになりました。
そこで質問の第一点目として、避難施設の面積及び受け入れ人数の再調査に至った経緯についてお伺いします。今回の再調査はどのような経緯で行ったのでしょうか。水戸市独自の判断なのかあるいは県からの要請で行ったのでしょうか。茨城県でも同様な調査を行っており二重の調査になっているようにも思われますが、一体県とはどのような連携を図っているのでしょうか。
二点目は避難者ひとり当たりの専有面積を4平方メートルとした自治体と受け入れ可能人数についてです。今回の避難施設調査において、松戸市の他にもひとり当たり4平米もしくは県の基準の2平米を上回る専有面積で回答した自治体はあるのでしょうか。あるとすれば何自治体でそれぞれどのような基準を示しているのでしょうか。また、再調査の結果松戸市では、受け入れ人数が半減しており、他の自治体でも、施設の有効面積の見直しに伴い、受け入れ人数に影響があったと思われます。総数にしてどのくらいの減少があったのでしょうか。
三点目は今後の対応と、計画策定の見通しについてです。今回の再調査の結果は本市の広域避難計画の策定に大きな影響を及ぼすものと考えます。まず、避難者の受け入れ人数の減少についてどのように対応していくのでしょうか。受け入れ施設を増やす必要が出てまいりますが、その場合、市からの派遣職員を増やすなど、人員や移動体制の見直しなども求められてきます。
また今後、感染症対策なども考慮し、ひとり当たりの有効面積を4平方メートルにする考えはあるのでしょうか。その場合、本市は福島県いわき市の広域避難先にもなっておりますが、こちらも見直す考えはありますでしょうか。
今回の再調査に伴い、計画策定に大きな課題が生じてまいりましたが日本原電は早ければ来年秋口に東海第二原発の原子炉の試験運転のため、燃料装荷をはじめるとも言われています。今後の計画策定の見通しはどうなるのでしょうか。
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答弁 川上幸一市民協働部長
広域避難計画に係るご質問についてお答えいたします。
はじめに、水戸市が県外の広域避難先に対して実施いたしました避難所の有効面積に関する再調査に係るご質問についてお答えいたします。
本年の1月から2月にかけて、水戸市を含め、東海第二発電所のUPZ圏が、避難を予定しております県内自治体避難所のうち、いくつかの避難所において、避難スペースとしては適さない通路やトイレなどの面積を受け入れ可能人数の算定に含めているとの報道がなされました。
この報道を受け、茨城県においては、県が主体となって、県内避難所の図面調査等を開始したところでございます。また、本市の31の県外避難先自治体については、茨城県との協議のもと、水戸市において確認作業を行うこととなり、本年4月16日付で再調査のお願いの文書を送付いたしました。
そしてその後、6月中旬には茨城県において県外避難先の自治体についても図面調査を開始したところでございます。これらの一連の再調査に関しましては、いずれも、水戸市と茨城県において、緊密に連携を図りながら進めているものであり、引き続き、情報の共有を図りながら、結果を取りまとめるとともに、今後の対応について、協議をしてまいります。
次に、避難先自治体からの回答についてお答えいたします。本市が実施しております再調査については、避難所の有効面積の確保を主たる目的としておりますが、ひとり当たりの避難所面積を記載する欄も設けております。そして、その欄に記載する数値につきましては、私どもが基本としております2平方メートル以外にも、感染症対策を踏まえて、独自の基準を定めている場合は、その数値を記載しても差支えないことを依頼文に明記しておるところでございます。
なお、調査中の段階ではありますが、現時点で6の自治体から独自の基準で回答をいただいております。本市がこのような回答欄を設けた理由は、今後、実効性ある感染症対策を進めていくためでございます。本市においては、避難者に対して、万全の感染症対策を講じることが、原子力災害に関わらず、今後の災害対策において、重要な課題であると認識し、それは決して、コロナ禍における一過性のものではないと考えております。
今回の回答において、独自の基準を設けている自治体につきましては、今後、本市で、視察やヒアリングを行うことを予定しており、その結果について、現在、茨城県やUPZ圏の自治体で検討を進めている感染症対策に生かしてまいりたいと考えております。
避難先自治体の感染症対策を理由とした受け入れ人数の減少につきましては、本市を含めた、東海第二発電所UPZ圏の広域避難計画における感染症対策を確立させたのちに調整すべき事項であると認識しており、まずは全力で、市民のみなさまが安心して避難所生活をおくることができる環境づくりに取り組んでまいります。
また水戸市は、福島第一原子力発電所や福島第二原子力発電所で原子力事故が発生した際にはいわき市からの避難者を受け入れさせていただく旨の協定を締結しており、感染症対策がまとまったのちには、いわき市とも情報を共有し受け入れる側としての対応を協議してまいります。
計画策定のスケジュールにつきましては、計画の完成時期を事業者の工事スケジュールに合わせることは、全く考えておりません。実効性ある広域避難計画の策定に向け、感染症対策をはじめ、錯綜しない避難ルートの設定や、避難所の運営方法、安定ヨウ素剤等の配布体制など、各種課題の対応策をしっかりと積み上げ、時期にとらわれることなく、市民目線に立った計画づくりを進めてまいります。