東海第二原発の寿命延長許さない!
破たん企業・原電の危険な暴走を止めよう!

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◆東海第二原発の審査は「経理的基礎」が問題に

11月24日、日本原子力発電(原電)は規制委に対し、東海第二原発の寿命延長の申請を行いました。来年11月30日に40年を迎える東海第二原発は、それまでに寿命延長審査に合格しなければ再稼働はできません。その前段となる原子炉設置許可の審査は、ほぼ審査を終え、間もなく審査書案が出ることになっていました。ところが、ここへきて「経理的基礎」の問題が浮上してきました。

◆足りない安全対策費・東電が保証人に!?

原電は、原発をもつ他の電力会社とは異なり、原発以外の発電所を持たず、原発で電気をつくり、東電や関電に売るだけの原発専門会社です。原発推進の先頭を切るためにつくられた会社です。東海原発、東海第二原発と敦賀1・2号機を所有していますが、3・11以降一基の発電所も稼働させることができず、発電による収入はゼロです。

東海原発は廃炉作業中、敦賀原発1号機も既に廃炉が決まっており、原電が再稼働を望んでいた敦賀原発2号機も、直下の破砕帯が活断層であることが規制委の検討チームによって二度も確定しています。原電はそれでも抵抗し、審査を受けるとしていますが、再稼働は困難な状況です。

東海第二原発を再稼働させるためには、安全対策費が1,700億円必要だといわれています。原電はこれを銀行から借り入れるとしていますが、銀行は保証人を立てるよう要求し、その保証人に東電と東北電の名前が挙がっているのです。そのような金が調達できるのであれば、福島第一原発の廃炉や賠償に投入すべきでしょう。河北新報は、債務保証の協議難航もと伝えています。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201711/20171125_11009.html

◆廃炉に積み立てた費用を勝手に取り崩して再稼働のためにあてていた

さらに、原電が法律に基づき、廃炉のために積み立ててきた費用1,800億円の大半を勝手に取り崩して、こともあろうに敦賀原発3・4号機の建設費に充てていたことが明らかになりました。
http://www.asahi.com/articles/ASKCJ5G4LKCJULFA01F.html

残った現預金は187億円しかないとのことです。東海第二原発についても530億円を積み立てていましたが、これも使ってしまったのです。許しがたいことです。

電気事業法に基づく廃炉引当金についての省令は、第四条で目的外で取り崩すことを明確に禁じています。

原子力発電施設解体引当金に関する省令
第四条
4 対象発電事業者は、前条の規定により積み立てられた原子力発電施設解体引当金について、前三項の規定により取り崩す場合を除き、当該引当金を取り崩してはならない。

原電は、法令違反を事実上認めていますが、電気事業法の会計上の措置だから問題ないと開き直り、監督官庁である経産省も、実際の運用では一時的な流用はありうるし、一般企業でもやっているなどと述べ、違法行為を容認しています。これまた許しがたいことです。

経産省がベトナムへの原発輸出のための調査費用に国費を投入し、震災復興費用を流用したことが問題になりましたが、そのとき調査に入った企業が原電でした。原電救済の意味合いがあったのでしょうか。原電はトルコでも調査に入りましたがその後、ベトナムの計画はとん挫し、トルコも進んでいません。

◆破たん企業・原電に原発再稼働の資格なし

規制委の更田委員は「経理的基礎」について公開の場で審査するとしながら、審査対象を安全対策費の調達に限定することを強調し、保証人から話を聞いて終わるとしています。それでは全く不十分です。

とうの昔に役割を終えた企業が、自らの存続のためにだけに暴走し、それを経産省も規制委も止められないでいます。廃炉に必要な費用も積み立てられず勝手に誰も認めていない原発の建設費に使ってしまう。このような経理もモラルも破たんした企業原電に、原発再稼働の資格はありません。東海第二原発の再稼働に反対しましょう。東電もそうですが、原電もきちんと破綻処理をすべきです。

原子力規制を監視する市民の会(11月27日)